メモ。イギリスにおける教育改革の試み 〜アカデミー政策を巡って〜

イギリスにおける教育改革の試み 〜アカデミー政策を巡って〜
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10317801_po_02710005.pdf?contentNo=1

イギリスのアカデミー政策:
2002年、2010年、2016年、という3段階の規制緩和
公立校と私立校の中間のような「アカデミー」をおき、学校に自由裁量を与えることで教育の質の向上を図る。

2002年:労働党政権が導入
教育課程や教員の雇用条件などについて学校側に裁量を持たせることによって、教育の自由度を高め、民間の資金とノウハウを活用して成績を向上させる
対象:教育水準局の監査の結果、成績不振と判定された公費維持中等学校
特徴:大部分は都市部に位置し、経済的に恵まれない、特別な教育ニーズがある、民族的な多様性が顕著。

2010年:保守党と自由民主党連立政権が拡大
対象:公費維持初等学校に拡大。また、学校監査において一定の良い評価を得た優秀な公費維持学校にも適用
背景:2006年の学習到達度調査でイギリスの順位が大きく下がった。その中で、労働党政権でのアカデミー化対象校の挙げた成果を評価。

2016年:保守党が選挙勝利後、方向性を継承・強化
対象:新たな基準「成績境界校」をアカデミー化の対象とする。また教育大臣にも新たな権限を付与・学校側からの異議申し立ての権限を廃止

示唆:
・日本における、国立大学法人化と近い流れか。ただし、日本の国立大学法人化が不振といわれるように、日本においては自主裁量権を高めることが単純に教育水準の向上に直結するとは言えないかもしれない(お上の文化?)。
・「全国共通カリキュラムへの準拠義務なし」とあるが、どこまで自由で良いのか?そのクオリティ担保は、単純に高等教育への受験?で問われるのか?
・対象が、低成績、好成績、境界成績、と拡大していったことの意味。